システム設計チェックリスト
システム設計は、多面的な視点から細部まで目配りが求められる複雑な作業です。本ガイドは、初期アーキテクチャの検討から設計変更時の見直しまでを支えるリファレンスで、設計書の作成や設計レビューに利用されることを想定しています。議論の枠組みを整え、リスクの見落としを防ぐための簡潔なチェックリストを示します。網羅的ではありませんが、状況に応じて関係の深い項目を重視してご利用ください。
ユーザーインターフェース
ユーザーインターフェースに変更はありますか?
- Web / モバイル UI:どこがどう変わり、理由は?
- CLI:具体的なコマンド、フラグ、終了コード、例。
- ローカライズ:文言、日付・数値、タイムゾーン。
外部インターフェース
外部システムまたは内部のシステム間で定義されたインターフェースに変更はありますか?
- 提供する API:何がどう変わるか。下位互換か。バージョニング方針。
- 利用する API:スキーマ・契約の変更、レート制限、認証の変更。
- ファイル / データ転送:フォーマット、スキーマ、エンコーディング、転送方式、検証ルール、互換性。
- SLA と廃止計画:告知、移行パス、終了スケジュール。
必要に応じて、内部インターフェース(例:サービス間 REST、イベントスキーマ)も含める。
ストレージ
ストレージの使い方に変更はありますか?
- データベース:スキーマ / インデックス変更、制約、データサイズ増加、クエリパターン。
- ファイルシステム・オブジェクトストレージ:フォーマット、パス、ライフサイクル、暗号化。
- キャッシュ・一時ストア:無効化、TTL。
- バックアップと保持:RPO / RTO、復元テスト、アーカイブ方針。
データ互換性と移行
既存データは新しいコードと互換ですか?そうでない場合、安全にどう移行しますか?
- オンライン / オフライン移行、所要時間。
- バックフィル、データ検証、冪等性、リトライ / ロールバック戦略。
設定(Configuration)
設定の変更はありますか?
- 環境変数、設定ファイル、リモート設定 / フィーチャーフラグ、シークレット管理。
- 環境間の同等性(開発/ステージ/本番)と設定の反映方法。
コアロジック
ビジネスロジックやワークフローに重要な変更はありますか?
- トランザクションと一貫性:ACID vs. 結果整合性(eventual consistency)、冪等性キー。
- エラー処理と再試行:タイムアウト、デッドレターキュー。
- キャッシュ戦略:無効化、新鮮さ、フォールバック。
- データの同期:順序、重複排除、必要に応じた exactly-once セマンティクス。
セキュリティ
セキュリティ上の影響はありますか?
- 認証 / 認可の変更、マルチテナントの境界。
- 入力検証、出力エンコード、CSRF/CORS、SSRF、インジェクションリスク。
- シークレット / 鍵 / トークン:保管、ローテーション、スコープ、最小権限。
- 転送時 / 保管時の暗号化、鍵管理、データ最小化 / 保持期間。
性能とスケーラビリティ
性能やスケーラビリティの懸念はありますか?
- 負荷パターン、キャパシティ計画、余裕、SLO。
- クリティカルパスごとのスループット / レイテンシ目標、テイルレイテンシ。
可観測性とトレーサビリティ
本番でシステムの挙動を把握・監査できますか?
- 相関 / トレース ID を含む構造化ログと PII の取り扱い。
- 監査証跡:誰が、いつ、どこから、何をしたか。
テスト容易性(Testability)
その変更はどのように効果的にテストできますか?
- 新規および影響箇所の単体 / 結合 / E2E のカバレッジ。
- テストデータ / シーディング、フィクスチャ、環境の同等性。
- 非機能テスト(性能、セキュリティ)とリグレッションスイート。
デプロイ
リリースや運用への影響はありますか?
- 無停止運用可能か:スキーマ変更、互換性期間、フィーチャーフラグ。
- ロールバック計画:トグル、迅速な差し戻し。
信頼性とレジリエンス
障害時にシステムはどう振る舞いますか?
- 冗長化、ヘルスチェック、タイムアウト、サーキットブレーカー、バックオフ。
- 災害復旧:RTO / RPO、リージョン / AZ 戦略、カオステスト。
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